女性だけでなく、男性にとっても重要な課題である「育児休業取得」。
以前と比べると取得しやすい雰囲気になってきているものの、同僚への負担、昇進への影響など、育休取得を阻む壁はまだまだあるようです。
今回は「実体験から考える“育休の取りやすい社会”」と題して2人のブロガーさんにお話をうかがいました。前編でインタビューさせていただいたのは、現在2人のお子さんを育てながら仕事に奮闘する、ブログ「おやじいじり」の金星さんです。
――お子さんが生まれたとき、どんな選択肢がありましたか?
妻が1年間育休を取得して、その後復職するという1択でした。長女が生まれた当時は、男性が育休を取る風潮は今よりもなく、職場でも前例を聞いたことがなかったので、わたし自身、育児休暇を取る発想もありませんでした。もし取れていれば妻の負担も軽減できたと思いますが、育休取得によって収入が減ることを考えると、やはり積極的には取れなかったと思います。
――お子さんが生まれたばかりの頃の一日のスケジュールを教えてください。
6:30 起床7:00 出社
~19:00 帰宅19:30 子どもとお風呂、夕食21:00 子どもと就寝
というスケジュールで、家事は妻がメインでした。
現在も、わたしの帰りが毎日20時を過ぎているので、家事は妻がメインで行っています。妻はパートで9時から13時まで勤務しています。
――お子さんが生まれてから、今までと現在で働き方に変化はありましたか?
また、家事や育児の苦労を体験したことが仕事に生かされたことはありましたか?
子どもが生まれる前までは、遅く帰ることを気にせず残業も多かったのですが、子どもが生まれてからは、できるだけ残業や持ち帰りの仕事をしないように心がけています。どうしても仕事が残るときは、普段よりも早く出勤する“朝型”に切り替えました。
せめて夕食時の家族団らんは大切にしたいからです。答えが変わってしまうのですが、保育や介護の仕事の経験があったので、どちらかといえば仕事で身につけたことが自分の子の育児に生かされていることが多いです。子どもを褒めたり、しかったりするときの言葉掛けは特に。オムツ替えも、仕事の経験上余裕でした。
(画像はブログ記事から)
にぎやかな金星さん家の食事風景。
――育児中に面白かったこと・つらかったこと、想像とのギャップを感じたことがあれば教えてください。
ブログでもよく紹介していますが、日々の子どもの言動が面白いです。言葉を覚え始めた頃は、昨日までハトのことを「チュンチュン」と言っていたのが、翌日には「ポッポ」とアップデートされていたり。成長が目に見えてわかる日々が本当に面白いです。つらかったことは、赤ちゃんの頃の夜泣きでしょうか。昼間は仕事で、妻に子どもの世話を任せざるを得なかったので、夜泣きはできるだけわたしが対応していました。翌日は仕事なので、生活リズムが狂うのはつらかったです。立って抱っこして揺らしたり、外に連れて出たりすることで少し刺激を入れ泣きやませていました。効果があるときとないときがありましたが、音を聴かせると泣きやむアプリも使用していました。ギャップといえば兄弟姉妹って似てて当たり前だと思ってたんですが、うちの姉妹は真逆と言ってもいいくらい性格が反対で、上の子は神経質で、下の子はおおらかな性格です。
(画像はブログ記事から)
ひらがなの「ね」を練習する次女のユズちゃん。3日後の変化は……。
――今、家事・育児で悩んでいることはありますか?
子どもに習い事をさせるかどうかで悩んでいます。
子どもになにか才能があるなら伸ばしてやりたいけど、何をさせてあげればいいのか正直分かりません。お金もかかることなので、適当には決められないし、子ども自身がやりたいって言うまで待つべきか……となると、何もしないままになりそうです。皆さんは子どもの習い事はどう選ばれてるのか気になります。
――今年の2月に更新された「働く男」という記事では、働くお父さんの切ない気持ちが描かれていてとても考えさせられる内容でした。
お父さんが家族をもっと大切にできる“理想の働き方”を教えていただけますでしょうか。
週休2日で残業が一切なく、きっちり定時で上がれることが理想です。さらに有休を気兼ねせず、いつでも取ることができたら最高ですね。
平日は子どもと関わる時間が1時間もないのですが、残業がなければ一緒に遊んだり家族団らんの時間も増えると思います。
子どもとお風呂に入ったり、ご飯を作ったり、家事分担が変わってくるはず。休みを利用して遠出することもできるので、家族サービスが今より充実しそうです。
――最近は男性の育休について注目されていますが、周囲に“ロールモデルがいない”中で育休を取られた方はいらっしゃいますか?
残念ながら私の周りにはいません。
――育休を取る上で、なにが障害になると感じていますか?
合わせて、誰でも育休を取りやすい雰囲気にするためにはどうなればいいのか、ご意見を聞かせてください。
自分が休むことで、他のスタッフに業務のしわ寄せがいくことが大きい気がします。1日や2日の有休でさえ気兼ねしちゃいますから、育休となるとなかなか難しいのが現状です。育休を取りやすくするためには、まずは日頃から有休を積極的に取るよう、職場内で勧めると良いのではないかと思います。わたし自身も、子どもの行事や病気のときなどは積極的に取るようにしています。休みが出たときに、お互いがフォローし合える関係づくりが必要に思います。こうした中で、男性も育休を短期間でも取る実例が増えていくといいですね。また、育休を取るには業務への支障が大きいですから、育児休業者が出ても対応できる業務マニュアルや、忙しい部署を補佐する環境があればありがたいです。
(画像はブログ記事から)
授業参観や運動会など、子どもの行事にも積極的に参加されている金星さん。
――次の機会があったら育休を取りたいと思いますか?
取れるのであれば、取りたいです。
――ずばり、父親としての生活充実度は100点満点で何点くらいでしょうか?
80点くらいです。ブログで子どものことを漫画に描くようになったことは、充実度アップに大きくつながっていると思います。いろんな視点で子どものことを見られるし、子どもと関わるのが楽しくなりました。子どもとの関わりを自分の好きな漫画にできて、最近ではそこからweb漫画のお仕事もいただけるようになったことが大きいです。あとは、子どもと関わる時間がもう少し増えればと思っています。
――後編でインタビューさせていただいた、ブログ「ひよっこ一家備忘録」のあり子さんから、金星さんに質問が届いています!
「ひよっこ一家備忘録」あり子さん
お子さんが女の子2人ということもあり、うちもこんなふうに成長していくのかな~!と思いながら金星さんのブログを楽しく拝見しています。
仕事をしていると子どもと関わる時間も少なくなってしまうかと思いますが、子どもと接する上で平日に意識していること、休日に意識していることがあれば教えてほしいです!
とのことでした! ぜひご回答お願いいたします。
ありがとうございます!どちらも女の子2人ということで、勝手に親近感を持たせてもらってます。以前、妻に指摘されたことなのですが、仕事で時間がない自分のペースに合わせようと、自分のタイミングで子どもと遊ぼうとしていました。子どもは常に一緒に遊んでほしいわけではないので、タイミングが合わなければ「今そんな気分じゃないのに……」となってしまいます。
子どもには子どものタイミングがあるので、求めてきたときこそしっかり関わって遊ぶことを心がけています。とはいえ大人にも都合があるので、そんなときは「いつからいつまで遊ぼう」とお互いの都合を事前に合わせるようにしています。ちなみにわが家では、カードゲームやボードゲームといったアナログゲームにハマっていて、頭も使うし会話も弾むし、大人も楽しめるのでオススメです。短時間でもしっかり子どもと関わりが持てます。休日は平日にはできないことをしてやれるよう意識しています。
うちの子は出かけることが好きなので、お金がかかりすぎる場所でなければ、できるだけ行きたいところに連れて行ってあげるようにしています。
――最後に、育休取得の可能性がある方にメッセージを一言お願い致します。
仕事をしていたらできないこと、育休中だからこそできることがあると思います。
子どもの成長はあっという間です。育休をポジティブに考えて、愛するお子さんの成長を育む貴重な時間を過ごしてください。
金星さん、ありがとうございました!
「日頃から有休を積極的に取るよう、職場内で勧める」というのは、お互いがフォローし合える関係づくりの第一歩になりそうですね。
仕事を朝型に調整したり、ボードゲームを活用して短い時間でも子どもとコミュニケーションを取っていくという工夫は勉強になります。
仕事を朝型に調整したり、ボードゲームを活用して短い時間でも子どもとコミュニケーションを取っていくという工夫は勉強になります。
次回は、同じく2児のお子さんを育て、今年育休から復職されたブログ「ひよっこ一家備忘録」のあり子さんにお話をうかがいます。
金星さんからあり子さんへの質問もあります。ぜひご期待ください!
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(ブログ編集部)
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