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こんにちは、ライブドアブログ編集部です。
テレビ東京系列で放送されている「おはスタ」にてアニメ放映中の「あげおとティム」ですが、いよいよ明日(6/18)最終回を迎えます。

最終回に先んじまして、本作の原作者であり、人気ブロガーでもある人間まおさんに、あらためて本作に込めた思いや、今後の展望などをお伺いしてきました!

「みんないい子たちなのに…」と落ち込みつつも、諦めずに掴んだアニメ化の夢

ーーまずは今回のアニメ化、本当におめでとうございます! 以前インタビューさせていただいた際にもキャラクターをアニメ化するのが夢だとおっしゃっていたかと思いますので、そちらが叶った形になりますね!

ありがとうございます! アニメ化するまで続けようと活動していたものの、色々大変なこともあったので決まった時は本当にうれしかったです。


アニメ『あげおとティム』公式ティザーPV 4/2(火)~おはスタにて放送決定!より

ーー作品がアニメ化されるまでの流れは想像もつかないのですが、本作についてはどんな経緯だったのでしょうか?

アニメ化する作品のほとんどがSNSで人気が出たり、本が売れたりして声がかかるパターンが多いと思います。しかしそれだと時間がかかるため、自ら動いた方がいいのではと思いました。とはいえどうしたらアニメ化できるのか、資金はいくら必要なのか、知識も人脈もないため、まずはネットでアニメの制作会社や広告枠として個人で放映できるテレビ局がないか探しました。色々連絡してみたものの、やはり個人では難しいことがわかりました。

制作会社やテレビ局を探しつつ、少しでも作品が広がるきっかけになるようコラボ先も探しました。企業が集まるイベントに出席し、とにかく作品を知ってもらうための活動をしました。しかしアニメ化が決まる前だったので全く取り合ってもらえませんでした。

また、グッズを自分で作りイベント出展にも参加しました。和歌山県のホテルや渋谷PARCO-パルコ-、京セラドーム大阪等チャンスがあれば何でも参加しました。

沢山の人の目に触れるよう、渋谷のスクランブル交差点のビジョンで「あげおとティム」の宣伝動画も半年間放映しました。これもアニメ化が決まる前から放映していたので「いつかアニメ化決定! と放映するぞ」と意気込んでいたのを覚えています。

そうした活動を続けていくうちに徐々に人脈ができました。アニメ制作会社と打ち合わせをしたり、企画書を作成してプレゼンしたりしましたが、なかなか条件が合わず白紙になったりするうちに「やっぱりアニメ化は難しいのか…。そんなにこの作品はダメなのか? みんないい子たちなのに…」と落ち込む日々が続きました。

そんな中、「おはスタ」の制作会社の方に作品を見てもらえるチャンスがあり、打ち合わせをしたところアニメ化していただけることが決まりました。アニメ化可否の連絡を待つ間はドキドキしていましたが、アニメ化決定を聞いた瞬間に全てが報われた気持ちになりました。小学生のころに見ていた番組で、SNSをやっていない子どもにも見てもらえるため、本当に運が良かったと思います。

アニメ化が決まってからは、アニメ放映中にグッズ販売や企業コラボができるように企業のイベント参加は続け、FC東京×あげおとティムコラボ、全国でのカプセルトイの販売、ECサイト開設をすることができました。現在は皆さんにも普段から使っていただけるようなコラボアイテムの商品化も進めています。


FC東京×あげおとティムコラボ
【お知らせ】FC東京×あげおとティムコラボ出演より


ーーすんなりアニメ化が決まったわけではなく、色々なチャレンジをしてそれが実を結んでのアニメ化だったのですね! ちなみに制作期間中は原作者としての動きはどんな感じだったのでしょうか?

2024年4月からの放映に向けて、2023年9月から10月末までにアニメ放映12本分のネームやキャラクター表を作りました。

その間にも、アニメ用に描き起こされたキャラクターをチェックしたり、アニメ監督が描いた絵コンテをチェックしたり、オープニングやキャラクターの動きのチェックなど、ひたすら確認、修正依頼の繰り返しでした。

アフレコは2024年2月に行い、3月中旬くらいにアニメ作品が完成したと思います。
とても細かいところまでこだわってアニメ制作をしていただき、作品を大切にしてくれているのが伝わってきました。こうやってプロの方々とアニメ制作をするのはとても刺激的で勉強になりました。

ーー今回のアニメ化を経験して、人間まおさん的に印象に残った出来事はありますか?

アニメ制作の監督が私のネームを1分半に収まるよう絵コンテに描き起こしてくださったのですが、私は明らかに1分半じゃ収まらないようなネームを描いてしまっていたんです。

しかし、私の伝えたい意図はそのままで、わかりやすく、かつ見ごたえのあるシーン展開、構図になっていて、プロの仕事って本当にすごいなと毎話絵コンテが送られてくるたびに感動していました。

アフレコ現場でも、声が入った瞬間にキャラクターが生き生きと動き出して、声のトーンも細かく修正して録り直したりこだわって制作してくださっていて、どんどん作品が出来上がっていくのを見るのが楽しかったです。その反面、沢山の人に対して自分のイメージをわかりやすく言葉で伝える難しさも感じました。

色んな人の手が加わることにより自分の意図とは別の表現になっていたらどうしようという不安もありましたが、想像以上に良い作品になり「プロの仕事ってすごいな…。自分はまだまだ考えが足りないな」と新たな課題も見出せました。

ーー今回のアニメ化を経て、人間まおさん自身の経験にもつながったようですね! 本当にお疲れ様でした!

アニメ化までの活動は、ただ作品を描けばいいだけではなく、普段とは違う表に出る活動もしなければいけなかったため苦手なことばかりで大変でしたが、大切な作品なので途中で諦めずにできました。

また、個人の活動でアニメ化できたことは他のクリエイターにとっても夢のある話になったのではと思います。

グッズショップ
あげおとティムグッズショップより

誰かに寄り添った作品にしたいから、「小さな幸せや出来事」をテーマに!

ーー今回アニメ化した「あげおとティム」は普段ブログで描かれているのとはまた違った作風になりますが、どういった経緯で生み出されたものでしょうか?

私は漫画を描く際「どこかの誰かに寄り添った漫画」になるよう意識して描いています。普段は体験談漫画を中心に描いているのですが、これだと読者層が限られるなと思い、もっと広い層に見てもらえる作品を描きたいと思いました。

さくらももこ先生の『コジコジ』が大好きで、『コジコジ』みたいなかわいいキャラクターが出てくる創作漫画をいつか描いてみたいなとずっと思っていましたので、「どんなのが良いかな?」と考えていた時、ペットのおサルのあげおが私の膝にちょこんと乗ってきました。

「いつかこの子ともお別れする時がくるんだよな…」と考えたらとても悲しくなって、それならこの子を主人公にした漫画を描こうとあげおをキャラクター化しました。親友のティムはあげおのお気に入りの人形のイエティを元に制作しました。

キャラクターは子ども向けなのですが、ストーリーのテーマは普段描いている「誰かに寄り添った作品」にしたかったので、身近に感じてもらえるよう社会で生活する話にしました。よくSNSで「将来の夢はない、それなりに暮らしていければいい」というニュアンスの言葉を目にしていたので社会でバリバリ働くというよりも、「色んな理不尽なことやしんどいこともあるけど、まぁそういう日もあるよね」と、肩の力を抜いたり、時には「このままでいいのかな」と思い悩んだりする現代社会に近いストーリーにすることにしました。

私は2年前まで看護師として働いていたのですが、仕事や人間関係で悩んでいた時期もありました。

理不尽なことがあったり、自己嫌悪におちいったり、毎日楽しくないなあと感じていた時に、ふと周りの笑っている人たちを見て、何がそんなに楽しいんだろうと会話に耳を傾けました。会話の内容は自分の周りにもあるような些細な出来事の話だったのですが「そうか、こんな出来事も本来笑えることなのか」と、自分が周りの小さな幸せや出来事に気づかずに過ごしていることにハッとしました。

そんな体験から、色々悩むあげおたちだけれど、その中でも小さな幸せや自分なりの答えを見つけて生活する様子を描くことにしました。

♯1 他人の機嫌【あげおとティム】
♯1 他人の機嫌【あげおとティム】 より

ーーあげおくん、ティムくんはそんな経緯で生み出されたんですね。それぞれ性格についてもモデルがいるのでしょうか?

恥ずかしいのですが、あげおの性格は私が元になっています。
気にしいでネガティブで自信がなくて、時にはそれでから回りしたり…。

そんなあげおを助けてくれるのが親友のティムで、普段、私を助けてくれている友人たちがモデルになっています。あげおにないものを持っていて、あげおにとっては親友でありながら尊敬する憧れの存在です。

実は今回のアニメの中で私が一番気に入っているのが第9話の『ちんあながっぱがずっと隠していたコンプレックスが見つかってしまい、あげおとティムから「なんで? 変じゃないじゃん」「かっこいい」と思いもよらぬ反応が返ってきた』という話なのですが、この話もまさに私自身がずっと気にしていたことを友人が「別にいいじゃん」と言ってくれ、むしろ褒めてくれたのがすごくうれしくて救われたという体験がベースとなっています。

きっと誰しも人にバレたくない、周りの反応で傷つきたくないということがあると思うのですが、自分で思っているより周りは気にしていなかったり、むしろ良いことだったりするので、それがアニメを通して伝えられたのが良かったです。

ーーあげおくんの性格は人間まおさんが元になっているんですね。そんな人間まおさんは「あげおとティム」を通じて、どんな人にどんなメッセージを届けたいですか?

見た後に気持ちがほっこりするような温かい作品になるよう心がけていますので、人間関係や仕事で疲れてしまっている人に見て欲しいです。見た人にこう思って欲しいとかはあまりないですが、少しでも気持ちが和らいでくれたらいいなと思います。

たぶん子どもには難しい内容もあると思いますが、大人になってから、あれはこういう意味だったのかーと思い出してくれたらうれしいです。

ーー小さな幸せや出来事をテーマにしているからこそ、人を選ばずに万人にほっこりしてもらえそうですよね。「あげおとティム」の設定で、今回のインタビューで紹介されたい部分はありますか?

あげおとティムにはわんぷーというワンコのキャラクターが出てきます。
わんぷーは作中ではインスタグラマーで明るいキャラクターなのですが実は暗い過去がありまして…。

まだ完結はしていないのですが、わんぷーが主人公の話も描いています。飼育放棄に関する重いテーマなのですが、SNSやショート動画で保護犬、保護猫の動画を見たのがきっかけで、自分の漫画で何か伝えられないかと思い、描きました。

②おいしいものを食べると震えるワンコ わんぷー
②おいしいものを食べると震えるワンコ わんぷー より

夢はアニメ2期と企業とのコラボ! 沢山の人に作品を知ってもらいたい!

ーーアニメは今回で最終回を迎えますが、今後「あげおとティム」関連で予定されているイベントごとなどはありますでしょうか?

現在カプセルトイのラバーマスコットが全国で発売中なのですが、今後も新たなラインナップが登場します!

他にもあるのですが、まだ発表できないので楽しみに待っていただけたらうれしいです。

ラバーマスコット
▲ラバーマスコットラインナップ

ーー人間まおさんとして「あげおとティム」を今後どうされていきたいか、夢を聞いてもよろしいでしょうか?

一番はアニメの2期の放送が決まることです。

この作品は、わが子のように大切に育ててきたのでここでアニメを終わらせたくありませんし、もっと沢山の人に見てもらいたいと思っています。

アニメ以外だとお菓子のパッケージや玩具企業とのコラボ、あげおの着ぐるみが出演するリアルイベントに参加したいです。

英訳の漫画も出しているのですが、絵本も執筆していく予定です。
アニメのスポンサーやコラボ等も募集中なので、ぜひよろしくお願いします!

AGEO&TIM (English Edition)
mao, ningen
2024-04-02

▲英訳版の「あげおとティム」漫画

ーー最後に読者さんに向けて一言お願いします。

私は幼いころからアニメや漫画が大好きで、漫画から学んだり、励まされたり、元気をもらったことが何度もあります。自分もいつか、どこかの誰かにそんな風に思ってもらえる作品を作りたいと思い漫画家人生6年目になります。

「あげおとティム」はその思いを込めて描いた作品なので、沢山の人に見てもらえたらうれしいです。
今後も色んな漫画を描いていくので、人間まおと「あげおとティム」をよろしくお願いします。



今回のアニメ化の裏話を人間まおさんがオリジナルマンガで描いてくださいました。
Amazon kindleで無料でDLできるのでぜひチェックしてくださいね!
(※新しいお話も準備でき次第、順次追加予定です)


アニメ化が決定するまでの数々のチャレンジを含め、人間まおさんが本作「あげおとティム」に並々ならぬ思いを込められているのが伝わってまいりました。今後の展開にもぜひ注目ですね!

「あげおとティム」のアニメ1期の最終回は明日(6/18)の朝の「おはスタ(朝7:05
」内で放映予定です。
ぜひお楽しみに!


あわせてチェック


▲「あげおとティム」公式サイトはこちら!


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