
こんにちは、ライブドアブログ編集部です。
令和6年(2024年)分の確定申告期間がスタートしました。
※2025年の確定申告期間は、3月17日(月)まで
毎年、公式クリエイターさん向けに開催している「確定申告勉強会」と「インボイス登録勉強会」。
勉強会で教えていただいたインボイス制度と確定申告のポイントをご紹介いたします!
Zoomでのオンライン開催に、日本全国からブロガーさんが参加!
今年で9回目となる「確定申告勉強会」、昨年同様「インボイス勉強会」も同時開催しました。
講師は今年も、税理士法人東京合同の伊藤智晃先生にお願いしました。
今年は初めて参加されるクリエイターの方が多く、フリーランスや個人事業主にとって確定申告は重要な手続きですが、特に初めての方にとっては複雑に感じるものです。
「確定申告とは」から、2023年10月1日からスタートした「インボイス制度」や詳細のことなど、わかりやすくお話しいただきました。
確定申告の申請方法をざっくりおさらい
そもそも確定申告とは?確定申告とは、1月1日〜12月31日までの1年間の所得を計算し、税金を申告・納付する手続きです。
申告方法には、紙の申請(税務署に提出)と電子申告(e-Tax)がありますが、e-Taxの利用が推奨されています。
e-Taxを利用するメリットをご紹介
- 青色申告 の65万円控除を受けるには基本的にe-taxの利用が必要です。
- 令和7年より、書面提出の収受印が廃止されます。
- 記録を残す意味でもe-taxの利用を推奨します。
確定申告が必要な人は?
次のいずれかに該当する場合は、確定申告が必要です。
- 所得が基礎控除(48万円)を超える
- 給与所得がある場合、ブログ収入などの副収入が20万円を超える
- 2か所以上から給与を受け取っている
- 不動産収入や投資収入がある
確定申告の作業は何をすればいいの?
会社員、自営業、副業をやっている方、白色申告、青色申告など、働き方や申告方式によって一人一人 ひとりやり方が異なる確定申告。こちらでは、フリーランスや副業の方向けの基本的なやり方を解説いたします。
①所得計算をする
所得とは、収入から経費等を差し引いた金額のことです。
所得控除額とは、扶養控除や基礎控除などの所得から差し引く金額をいいます。
『(所得-所得控除)=課税所得金額』となり、これに税率を乗じます。
所得が基礎控除(48万円)を超えると税金が発生します。
②所得控除の適用
『所得控除(扶養控除、社会保険料控除、ふるさと納税など)』を引くと課税所得が決まります。
例えば、事業所得150万円の人が基礎控除48万円を受けると、課税所得は102万円になります。
③税額計算
課税所得に『累進税率(5%〜45%)』を適用し、税額を算出します。
④申告と納税
申告・納税の期限は3月17日(振替納税の場合は4月23日に振替。
ただし口座振替依頼書は3月17日までに提出必須)です。
ただし口座振替依頼書は3月17日までに提出必須)です。
国税(所得税)だけでなく、住民税・国民健康保険料にも影響します。
確定申告の効率化テクニック
1. 事業用の口座・カードを分ける
個人の支出と混ざらないようにすることで、記帳の手間を減らすことが出来ます 。事業用のクレジットカードを使うと、経費を自動で仕訳可能で計算しやすくなります。
2. 会計ソフトを活用する
確定申告にはクラウド会計ソフトの利用がおすすめです!
🔹 初心者向け:「freee(フリー)」
🔹 簿記の知識がある方向け:「freee(フリー)」の他に 「マネーフォワード」など
自動仕訳機能で手入力の手間を大幅に削減できます。
3.領収書のデジタル管理
紙の領収書はスキャンしてPDF保存がおすすめです。
ネットの領収書はフォルダ管理をし、電子帳簿保存法の対応を忘れずに。
ネットの領収書はフォルダ管理をし、電子帳簿保存法の対応を忘れずに。
準備が出来たらいよいよ申請! 申請の詳細はこちらの記事をご参照ください。
ブログからの収入はどっち?事業所得 vs. 雑所得の違いを解説!
フリーランスや個人事業主にとって、事業所得と雑所得の違いは税金や節税対策に大きく影響します。
特に、ブロガー・YouTuber・クリエイターなどの個人事業主にとって、どちらに分類されるかが重要です。
事業所得と雑所得の基本的な違い
まず、「事業所得」と「雑所得」の定義を整理しましょう。
ざっくり言うと
🔹事業所得とは・・・自分で仕事をして稼ぐお金
🔹雑所得とは・・・副業や趣味で得るお金
▼事業所得と雑所得の判定基準(まとめ)

まとめると、事業所得は本業レベルの収入として認められ、税務上の優遇措置を受けられます。一方、雑所得は副業と見なされ、税制上の優遇は少なくなります。
ただ、令和4年の改正所得税基本通達により、帳簿書類を保存していればおおむね「事業所得」に該当することとなりました。
今年は何が変わった?令和6年(2024年)の確定申告・税制改正ポイントとは
令和6年(2024年)から、確定申告や税金に関するルールがいくつか変更されました。特に、無申告加算税の引き上げ、電子帳簿保存法の義務化、税額控除の改正など、フリーランスや個人事業主にとって重要な改正が行われています。
1. 無申告加算税の強化(2024年1月1日から)
無申告加算税の最大加算率が30%に引き上げされ、過去2年以内に無申告や修正申告をしていた場合、追加で10%の加算されるようになりました。
要は確定申告を忘れるとさらに重いペナルティが課されることになるので、忘れず期日までに必ず申告を行うことが重要です。
2.電子帳簿保存法の完全義務化
電子取引(メール・ネット注文などの領収書)のデータ保存が義務化されました。
例えば、ネットで購入した経費の領収書は、印刷だけではNGとなり、電子データの原本を保存する必要があります。(メールの添付ファイル・PDF・スクリーンショットでもOK。)
「紙で届いた書類は取っておく」+「ネット通販等の領収書はPDFやスクリーンショットで保存する」がおすすめです。
3.2024年限定の「定額減税」
令和6年分のみ個人住民税の定額減税が実施されています。フリーランス・個人事業主は確定申告時に適用可能になるので、忘れずに確定申告をしましょう。
「インボイス制度」ってなに ?
インボイス制度とは?
令和5年(2023年)10月1日よりスタートした、「複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式」のことをいいます。
これまでは、基本的に2年前の売上 が1,000万円を超えていなければ免税業者となり消費税を納める義務がありませんでした。しかし、今後は売上金額に関わらず、インボイス登録して消費税を納める課税事業者になるか、インボイス登録せずに今までどおり消費税を納めない免税事業者でいるか、選択する必要が出てきます。
押さえるポイント
・基本的に「基準期間」が1,000万円越えのとき に納税義務があります。(特定期間等の例外有)
・個人事業主の場合、翌年の3月31日までに申告する必要があります。
・課税対象となるのは「国内取引」と「輸入取引」
※「国内取引とは」以下4つすべて満たすもの
① 事業者が事業として行うもの
② 対価を得て行うもの
③ 資産の譲渡、資産の貸付、役務の提供
④ 国内において行うもの
インボイス制度の注意点
免税事業者が登録を受けるためには、「消費税課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者になる必要があります。
※ただし特例措置として、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日が属する課税期間中に登録を受ける場合には、提出が不要となります。
適格請求書発行事業者になった場合、基準期間(通常は2年前の売り上げ)が1,000万円以下となっても消費税の申告が必要となります。
※改めて免税事業者になるためには「適格請求書発行事業者の登録の取り消しを求める旨の届出書」を出さなければなりません。
インボイス登録の影響は?
インボイス登録をしない(免税事業者のまま)場合と、登録する(課税事業者になる)場合、それぞれのメリット・デメリットを整理しました。
登録した場合のメリット
- 取引の幅が広がり、発注が減るリスクを回避できる。
- 消費税分の値引きを求められず、収益の安定化につながる。
- 令和8年(2026年)末までの「2割特例」を活用すれば、納税負担を抑えられる。
登録しない場合のデメリット
- 取引先から「インボイス登録しないなら消費税分を値引きしてほしい」と求められる可能性がある。
- 一部の企業では、インボイス未登録の事業者と取引しないケースが も増えている。
- ECサイトでは、インボイス登録済み事業者のみ検索できる機能が導入されつつある。
結局どうするべきか
免税事業者のままでいる場合は、2026年末までは80%、2029年までは50%としばらくの間は取引先の控除も可能ですが、取引の縮小がかかる可能性があります。
インボイス登録する場合は、取引条件が安定し、仕事の幅が広がることが見込まれます。
「2割特例」や「簡易課税」を活用すれば、納税負担を軽減できますが、一度インボイス登録事業者になってしまうと再び免税事業者に戻ることが難しいため、よく調べてから慎重に決断しましょう。
こんな時どうしたらいい?Q&A
★インボイス制度の関する質問
★確定申告に関する質問
Q1. インボイス制度に登録した後、追加でやるべきことは?
A. まずは『「簡易課税制度の届出」を検討する』ことをおすすめします。
インボイス登録をすると消費税の納税義務が発生しますが、小規模事業者(基準期間の課税売上高5,000万円以下)は簡易課税を選択でき、納税額を抑えられる可能性があります。
ただし、経費が多い場合は本則課税の方が有利になることもあるので、自身の経費状況を確認しましょう。
Q2. インボイス登録していないお店の領収書はどのように仕訳すればいい?
A. 簡易課税を選択している場合は特に気にしなくてOKです。
本則課税(実額計算)をしている場合は、会計ソフトで「インボイス未登録」扱いの仕訳をする必要があります。
Q3. 免税事業者がインボイス登録をすると、どんな影響がある?
A. 取引先との関係は安定しやすくなりますが、消費税の申告が必要になります。
また、売上額に関係なく消費税を納める義務が発生するため、簡易課税などの制度を活用し、負担を減らす工夫が必要です。
★確定申告に関する質問
Q4. アルバイトと個人事業の収入がある場合、控除額はどうなる?
A. 給与所得と事業所得の両方の控除を適用できますが、一部制限があります。
特に「家内労働者の特例(概算経費55万円)」を利用する場合、給与所得控除と合算で55万円までしか控除できません。
ただし、実際の経費を申告する場合は、給与収入があっても問題なく控除が適用されます。
Q5. 新幹線や飛行機のチケット代は領収書がなくても経費にできる?
A. クレジットカードの明細やICカードの利用履歴があれば問題ありません。
飛行機のチケットについては、eチケットなどの電子領収書が発行されているはずなので、電子帳簿保存法に従い、データを保存しておきましょう
Q6. Kindle Unlimitedやサブスク 費用は経費になる?
A. 業務に直接関係がある場合は経費計上可能です。
例えば、漫画ブログ運営者がKindle Unlimitedを利用する場合、業務利用分は経費にできます。
ただし、業務とプライベート利用が混在する場合は「按分」が必要です。
Q7. 家賃や光熱費の何割を経費にできる?
A. 家事按分の割合は、合理的な基準に基づいて決める必要があります。
国税庁の指針では、テレワークの通信費は50%程度を按分するのが妥当とされています。
同様に、家賃は仕事用スペースの面積割合、光熱費は仕事時間の割合で按分するとよいでしょう。
「経費を考える上で大事なのは、税務署に根拠を論理的に説明できるか否か」。そのためにも、普段からプライベートと仕事をしっかり分けて、お金やスペース、時間の使い方など整理しておくことが大切です。
確定申告の締め切りは、3月17日(月)。
今からでも十分間に合います。あきらめずに、がんばりましょう!
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