【育休インタビュー企画:後編】「周りの人がキャパオーバーに……」――ブロガー2人の“実体験”から考える「育休の取りやすい社会」とは?

「実体験から考える“育休の取りやすい社会”」と題した、今回のインタビュー企画。
前編では、ブログ「おやじいじり」の金星さんに、育児の面白さやつらさ、働きながら子どもと関わるための工夫、育休を取りやすくするための雰囲気づくりなど、たっぷり語っていただきました。
記事はこちら ⇒ 【育休インタビュー企画:前編】「フォローし合える関係づくりが必要」――ブロガー2人の“実体験”から考える「育休の取りやすい社会」とは?[livedoor Blog公式ブロガー]

後編では、同じく2人お子さんを育て、今年育休から復職されたママ、ブログ「ひよっこ一家備忘録」のあり子さんにお話をうかがいます。



――お子さんが生まれたとき、どんな選択肢がありましたか?
その中で育休取得を選んだ理由もお聞かせください。

上の子を妊娠したときに「自分が退職する」または「自分が育休を取得する」の2択でした。
職場が遠いので、妊娠しながらの通勤に不安があり退職も考えました。
しかし子どもが生まれたら何かとお金は必要になるので、退職はせず産休・育休を取得することにしました。

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(画像はブログ記事から)
「子どもたちの将来のことを考えると、金銭的な面で働いていたほうがいい」と思いつつ、保育園を嫌がる姿を見て「これで本当に良かったのか」と迷う気持ちも……。


――職場の方には、どのくらいのタイミングで育休を取得したいと話しましたか?

やっと心拍が確認できたくらいの妊娠初期で体調を崩してしまったので、こちらから報告する前に妊娠に気付かれました。
そのときに今後のことも聞かれ、産休育休を取りたい旨を伝えました。
わたしの前に1人、同じ部署で育休を取っていた方がいたので、育休の申請はしやすかったです。


――育休を取る上で、なにか障害になることはありましたか?

育休の取得自体に障害はなかったのですが、仕事の引きつぎが大変でした
みんな自分の仕事に手一杯でピリピリしている中、さらにわたしの仕事をお願いしなければならないことがとても心苦しく、仕事の引きつぎは精神的にくるものがありました……。


――今までと育休後の現在では働き方に変化はありましたか? また、家事や育児の苦労を体験したことが仕事に生かされたことはありましたか?

子どもが生まれる前は時間内に終わらなくても残業ができましたが、今は保育園のお迎えがあって残業できないため、高速で仕事をして社内では小走りで移動しています
忙しいときはトイレに行く時間ももったいないので、水分を取らないこともしばしば……。
復職してからは、今まで以上に時間を意識して、一分一秒も無駄にしないようにしています
育児をしていると想定外の事態が連発するので、臨機応変に動けるようになったことが仕事に生かされている気がします
そして不測の事態に備えて事前に対策を練っておく癖もつきました!

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(画像はブログ記事から)
「ワーママのタイムスケジュール」というシリーズ記事では、朝5時50分の起床から始まり、朝昼晩、目が回るような忙しい日常がつづられていました。


――育休中に面白かったこと・つらかったこと、想像とのギャップを感じたことがあれば教えてください。

育休中つらかったことは、近所のママ友づくりがうまくいかなかったことです(笑)
今は「ママ友は無理して作るものじゃない」と思えるようになりましたが、上の子を出産した当時はママ友がいないことに焦っていました。
そんなとき、何気なく始めたブログを通じてブログ友達やコメントをくださる読者の方と交流できるようになり、いつの間にかママ友がいないことへの焦りはなくなりました
ブログを始めたおかげで充実した育休を過ごしていました。


――男性の育休についても話題になっていますが、誰でも育休を取りやすい雰囲気にするためにはどうなればいいか、ぜひご意見を聞かせてください。

育休を取ると、それをフォローする周りの人がキャパオーバーしてしまうという、ギリギリの人数で仕事をしている会社が多いと思います。
「誰か1人でも抜けられたら困る」というこの状況が育休を取りにくくさせている要因の1つな気がします。
わたし自身も、育休に入る方のフォローをしてキャパオーバーになった経験があるので、フォローする側の大変さも嫌というほど分かります
なので育休を取るときに「申し訳ない」という気持ちでいっぱいで、常に周りに謝りながらの引きつぎでした。
難しいことだとは思うのですが、「ギリギリの人数で仕事をする」という状況が改善されると育休も取りやすくなるのではないかと感じました。


――育休に関して、会社の制度で満足している点と変わってほしい点があれば教えてください。
また、産休・育休を考えている方に、就職のときに会社のここを見ておいたほうがいいというポイントなどはありますか?

上の子が保育園に落ちたときに育休延長させてもらえましたし、制度としては満足しています。
しかし、やはりみんな自分の仕事でいっぱいいっぱいな状況なので、誰かが育休に入っても周りが余裕もってフォローできるくらいの人数に増員してほしいのが正直な気持ちです。

産休・育休を考えていらっしゃる方は、
・育休後、復職している人の前例があるか
・どのくらい社内にワーママがいるか

この2点をチェックしたほうが良いと思います。
育休取得の制度があっても、それを実際に取得して復職している方がいなかったら意味がないですし、職場にワーママとして相談できる人がいると心強いです!


――次の機会があったら育休を取りたいと思いますか?

あるかは分からないですが、次の機会があったらまた取ると思います!
育休手当てと復職する場所があるという安心感はやはり魅力的です。


――ずばり、母親としての生活充実度は100点満点で何点くらいでしょうか?

母親としては……40点くらいです
平日は子どもと関わる時間も少ないので、わたし自身子どもが恋しくて寂しい気持ちでいっぱいです。

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(画像はブログ記事から)
保育園の内定が出たころ、復職するプレッシャーや、子どもたちと24時間いられる日があとわずかなのだと感じたことなど、複雑な心境を語っています。


――前編でインタビューさせていただいた、ブログ「おやじいじり」の金星さんから、あり子さんに質問が届いています!

「おやじいじり」金星さん
「おやじいじり」金星さん
ブログを通して、娘さんの成長過程をいつもほほえましく拝見しております。
お二人の娘さんを愛らしく描かれたあり子さんの漫画に本当に癒やされます。
お仕事や育児で、ご夫婦それぞれのご苦労もあると思いますが、家事の役割分担はどのようにされていますか?
また旦那様にしてもらって助かっていること、もしくはしてほしいことなどありましたら教えてください。

とのことでした! ぜひご回答お願いします。


金星さんからそのように言っていただけるなんてうれしいです……!
家事の役割分担については、基本わたしが中心になっています
特に平日は主人の帰宅時間が遅いということもあり、ほぼわたしのワンオペです。
なので、「パパは帰り遅いからわたしがやらなきゃ」という気持ちと「なんでわたしばっかり」という気持ちで日々葛藤しています(笑)
助かっていることは、こちらから指示しなくても、休日にトイレや洗面所掃除などをやってくれるようになったことです。
以前は逐一こちらから指示しないと動いてくれなかったので……。
してほしいことは「パパが休日子どもたちを連れてどこかに出かけること」です。
平日、仕事育児家事をほぼワンオペでやっているわたしに、一人の時間をプレゼントしてほしいです(笑)


――最後に育休取得の可能性がある方にメッセージをお願い致します。

育休中から、復職後のことを考えて時短アイテム(洗濯乾燥機、食洗機、お掃除ロボット)を準備しておくといいかもしれないです!
わたしは復職後に、もともと使っていた食洗器に加え、洗濯乾燥機とお掃除ロボットを利用するようになりましたが、便利すぎて「もっと早く使いたかった……」と後悔しました(笑)

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(画像はブログ記事から)
「三種の神器と呼ばれている家電に助けられて、わたしは生きています」と語るあり子さん。



就職時に見ておきたいポイントとして、「育休後、復職している人の前例があるか」「どのくらい社内にワーママがいるか」というのはたしかに重要なポイントですね。
すでに勤められている人でも、働いている会社についてこの2点を確認しておくと安心かもしれません。

あり子さん、ありがとうございました!


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(ブログ編集部)