猫マンガは数あれど、著者本人の苦難まで描いているもの、苦労を乗り越えるパートナーとしての猫については、描かれることが少ないですよね。先月発売された『猫パン日記 幸せを運ぶねこと厄よびパンダ』では、猫3匹との楽しい暮らしに加えて、著者・ぬら次郎さんを襲った病気の闘病生活について描かれています。病気の大変さに反して、猫たちの気ままでゆるい暮らしが絶妙で、ついつい笑ってしまいます。どんな苦労も「猫がいれば乗り越えられるんじゃない?」と思えるハッピー猫マンガです。
ぬら次郎さんが猫を飼い始めたのは「ずっとそばにいてくれる家族、一生のパートナーが欲しかった」のがきっかけ。野良猫の保護をしている人と知り合い、出会ったのが1匹目の猫・暦(こよみ)です。2匹目にやって来たのがベンガル猫の薫(かおる)。あっという間に仲良くなった2匹にジェラシーを感じつつ、憧れの猫生活がスタートします。
猫との生活は、癒しと笑いの連続です。
“布団の上にウンチ事件” “高級クッション乗っ取られ事件”
“8万円の高級猫トイレ事件” “ケージを勝手に開けられる事件”
など、爆笑事件のオンパレードです。
そして新たに3匹目の保護猫、黒猫の蛍(ほたる)が加わります。突然の子猫に先住猫2匹は怯えまくりますが、徐々に慣れて距離を縮めていきます。結果、飼い主以上に蛍を気づかい、指導係として世話をしてくれるのでした。
猫との幸せな日々を過ごしていた矢先、ぬら次郎さんは痔を発症してしまいます。病院で診てもらうと即手術が決定。1泊入院で済んだものの、家に戻ってからの2匹の塩対応には、がっかりしてしまうのでした。
次なる苦難は、腹痛から始まりました。病院で診てもらうと20cm大の巨大腫瘍と発覚、すぐに手術します。さらに手術時に同時に摘出した盲腸が、ガンのような“虫垂カルチノイド”だったと判明します。
飼い主が病気になった時、動物たちの世話をどうするのかは大きな問題です。1泊入院程度ならまだしも、長期入院の場合は、世話をする人が必要になります。犬や猫を飼う時は、緊急事態まで考えておくことも大切だと思い知らされます。
ぬら次郎さんと猫との暮らしを見ていると、どんな苦労や苦難も、かけがえのない家族の存在があれば、前向きに乗り越えられるんじゃないかと感じます。マンガの1シーンに、猫と日向ぼっこするシーンがありました。小さな幸せを実感できるのも、家族や共有できるパートナーがいるからこそ。そんなことを改めて気づかさせてくれるマンガです。
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