主婦でマンガ家の龍たまこさんがサイト『ママの求人』で連載していたマンガ『フツウって、しんどい。~母親らしさってなんですか?~』が書籍化された、『母親だから当たり前? フツウの母親ってなんですか』が発売されました。
本書は、龍たまこさんによる創作マンガで、ご自身とは異なる設定で描かれています。主人公は、とある地方都市で暮らす平凡な3人家族で、両親と敷地内同居をすることになります。そこから変化する義両親との関係から始まり、家事や子育ての価値観の違い、働くことの意味、親世代の思いなど、今の時代を生きるママやパパのお悩みがぎっしりと詰まっています。それぞれが抱える悩みや葛藤を受け止め、新たに歩み出す家族の物語は、涙なしでは見られません。今を生きる全世代に読んで欲しい、家族の再生の物語でもあります。
平和と思われた敷地内同居が一変! 家族が抱える問題が明らかに……
主人公は、地方都市で夫と暮らす33歳の主婦・あかり。2年前に出産し、仕事をやめて家事と育児に専念していますが、家事が苦手でコンプレックスでもあります。夫の平太は、地元の優良企業に勤めるサラリーマン。平太の両親が住む実家の敷地内に新居を立てたことから、ある変化が生まれます。
「母親だったらそれくらい当たり前でしょ?」
「妻ならこうするものだ」
「父親はこうでなくてはいけない」
「夫なら、それが普通だろう」
義両親や世間から無言の圧力を感じ、苦しめられるようになります。現代になっても根強く残る昭和の価値観に嫌気がさし、あかりたち夫婦は自分たちなりの決断をして前に進みます。しかしそこから状況が一転、平太が抱えていたもの、義母が隠していた本音、義父が気づけなかったことが明らかになっていきます。
「母親だから」「父親だから」当たり前と言われていたこと、それは決して簡単なことではなく、そもそも人によっては向いていなかったり、できない人もいます。昭和では普通だった家族のあり方や価値観も現代では大きく変化し、家庭によってさまざまな父や母の姿があり、家事や子育ての考え方も大きく変わってきました。
本書の面白いところは、妻の主観だけでなく、夫、義母、義父それぞれの視点からも描かれている点です。特に、親世代の思いは「ただのお節介」「過干渉」と思われがちですが、そこに隠された本音や葛藤を知ることができるのは興味深いです。「子どもを思って」「家族を思って」やっていることが、思わぬ落とし穴になることを知らされます。
最後まで読み終えた時、母親も父親も“1人の人間”であることを忘れてはいけないと気づかされます。「母親だから」「父親だから」という“型”にとらわれず、1人の人として自分らしく生きることが、いかに大切なのか。パパママ世代にはもちろん、これから結婚する世代、さらには親世代にもぜひ読んでもらいたい一冊です。
▲書籍、連載に関する裏話も要チェックです!
本書と一緒に、龍たまこさんのブログ『規格外でもいいじゃない!!』も合わせてチェックしてみてくださいね。
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